賃借権設定登記
■不動産登記とは
不動産には、所有権や賃借権といった、様々な権利が関わっています。そのような複雑な権利関係をめぐって、トラブルに発展することも考えられます。トラブルを未然に防いで、適切な権利関係を守り、維持することが、不動産登記の役割ともいえます。不動産登記には、所有権移転登記や所有権保存登記、抵当権設定登記といったものが挙げられます。ここでは、不動産登記の中でも、賃借権設定登記について、詳しく解説していきます。
●賃借権設定登記とは
そもそも、不動産の賃貸借契約は、賃貸人(貸す人)と賃借人(借りる人)の権利義務関係から成り立ちます。賃貸人は賃借人に対し、不動産の使用収益をさせる義務があります。一方、賃借人は、不動産の使用収益をする権利がありますが、賃貸人に対して賃料を支払う義務を負っています。つまり、賃借権とは、賃借人が不動産の使用や収益を行うことができる権利のことを意味します。そして、賃借権設定登記とは、賃借人がその不動産について有する賃借権を、公的に示す意味があります。この登記があることにより、他の人はしっかりと賃借人の権利を把握することができるのです。
また、賃借権設定登記は、賃貸人が承諾しなければ、これを登記することができないという仕組みになっています。しかし、土地の賃借権に関しては、その賃借人が同じ土地上に、登記されている建物を有していれば、土地の賃借権の登記が無くても、第三者に対抗することができます。建物の賃借権に関しても、建物の引き渡しを受けていれば、登記が無くても、第三者に対抗することができます。「第三者に対抗する」とは、権利関係などを、当事者以外の人に対しても主張可能である、という意味です。
●賃借権設定登記を行うには
賃借権設定登記を行うにあたって、準備すべき書類などは以下の通りです。賃貸人・賃借人で用意すべきものが異なりますので、注意してください。
・賃貸人が用意するもの
契約書、印鑑証明書、不動産の登記済証、固定資産評価証明書、実印、本人確認書類など
・賃借人が用意するもの
認印、本人確認書類など
●登記を依頼するなら司法書士
司法書士は、登記業務のプロであると言われています。司法書士は、弁護士や行政書士とは異なり、登記の専門家と呼ばれています。登記を依頼するのであれば、司法書士を強くお勧めします。事前の書類準備の段階から、登記申請に至るまで、確実かつ円滑に手続きを進めることができます。
●不動産登記に関するご相談は当事務所まで
司法書士 山田猛司事務所では、東京都調布市を中心に、東京都・関東一円にお住まいの皆様のお悩みに真摯に向き合っております。お困りのことがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。